最終更新:2021/11/22
港湾における「長期構想」は、港湾管理者が、おおむね20~30年の長期的視点から、港湾空間利用の基本的な方向性をとりまとめるものです。
「清水港長期構想」は、検討委員会を設置し、港湾関係者に加え、新技術や観光など様々な分野の有識者のご意見を反映し、基本理念のもと、現状分析と時代認識をもって、おおむね20年後(目標年:2040年)の将来の共感できる目指す姿をデザインするとともに、その実現に向けた基本戦略や取組施策等を取りまとめ、2019年8月に公表しました。
今後、策定した「長期構想」を踏まえ、10~15年後の具体的な整備計画である「港湾計画」を改訂し、取組施策を実現していきます。
近年、海運業界の再編を始め、船舶の大型化やクルーズ需要の高まり、温室効果ガス排出削減など、世界的な社会情勢の変化とともに、国内では生産年齢人口の減少に伴う労働力不足など社会問題が顕在化しています。
清水港は、近年の高速道路網や富士山静岡空港の拡充により、拠点性が高まっており、2020年の中部横断自動車道の開通を契機として、山梨・長野県などさらなる交流拡大が期待されています。
また、静岡県、静岡市及び地元民間企業が連携し、“みなと”と“まち”を一つの資産として、地域経営を担う「清水みなとまちづくり公民連携協議会」を設立し、清水港及びその周辺地域一体の具体的な『グランドデザイン』を描き、その実現に取り組み始めています。
このため、港湾管理者である県は、これまでの延長線上ではなく、第4次産業革命と呼ばれるAIやIoTによる技術革新の進展を見据え、おおむね20年後の清水港の将来像となる『長期構想』を、『グランドデザイン』と方向性を共有し、策定しました。
基本理念
蓬莱、仙境、庭園のような『美』しい空間の中、
物流、エネルギー、災害、環境等の様々な社会課題に対応可能な『知』を備え、
みなとを使ってよかった、清水で暮らして、訪れてよかったと実感できる”みなとまち”を創造する。
※目指すのは、『美』と『知』の融合。(“スマート”だから“美しい”)
▸ 『美』と『知』は多様。清水ならではの『美』と『知』を追求する。
beauty | ▸美しさ、美観、美容 | ||
smart |
---efficient ---high quality ---saving (energy/ cost) ---harmony (with the natural environment) |
▸効率的 ▸質の高い ▸省エネ/ 経費削減 ▸自然との調和 |
|
safe and secure |
▸安全・安心 |
||
healthy | ▸健康 |
2040年の目指す姿
①日本の中心でスマートな物流を実現し、利用者が使いやすさを実感できるみなと
②世界の英知が集まり、新たなビジネスが生まれるみなとまち
③国内外の人々が憧れ、何度も訪れ、滞在したくなる美しいみなとまち
④気軽に海の豊かさを享受し、楽しみ慈しむことができる海辺の庭園
⑤訪れ、働き、暮らす人々が安全・安心を感じられるみなとまち
⑥災害時に緊急物資受入拠点として機能し、迅速に平時の機能を回復する強靭なみなと
主な取組施策
(施策の方向性)
スマートな物流
+
海洋産業の活性化と新産業の創出
+
安全・安心で文化力あるみなとまちづくり
(具体的な施策)
●国際物流ターミナルの形成
●海洋研究・開発拠点の形成
●国際クルーズ拠点の整備
●水面を活用したリゾートの形成
●海洋レクリエーション拠点の整備
●防災施設の整備推進 等
清水港では、古くより民間や官民が連携し、港を発展させてきた歴史があります。
近年においては、平成2年の大型客船「クイーンエリザベスⅡ」の寄港を契機として、官民連携による「清水港客船誘致委員会」が設立され、国際旅客船拠点形成港湾にまで発展するとともに、平成3年に開催された「清水港・みなと色彩計画策定委員会」の提言を推進する「清水港みなと色彩計画推進協議会」が平成4年に設立され、色彩により霊峰富士山の自然景観と人工(港湾)景観の調和による美しいみなとづくりが行われております。
開港120周年を迎えることを契機として、港湾管理者である静岡県が主体となり、国及び所在市である静岡市と一体となって、公共投資の着実な進捗を図るとともに、官民が参画する各種団体と連携し、港湾の利用促進、クルーズ船誘致、及び景観、まちづくり等を推進する体制を構築することで、“地域ぐるみ” で長期構想の実現に取り組んでまいります。
●スマートな物流
●海洋産業の活性化と新産業の創出
●安全・安心で文化力あるみなとまちづくり